阿見町の放射線量はどの程度なのか
いつも気になっていたのは、阿見町の放射線量は一体全体どの程度なのかということです。町民の中には熱心に町内各地の放射線の値を計測し続けている方々もおり、阿見町の放射線量の状況は「除染が必要なくらい高い」と町の姿勢を非難しています。
町は相変わらず健康に影響のあるレベルではなく「住宅地の除染は全く必要ない」とぶれずに主張しています。県南地区の取手市や守谷市、隣接の土浦市等が住宅地の除染計画を進めているのとは対照的に、「除染の必要なし。阿見は阿見の方針でやる」と他市の対応等には見向きもしません。
特に気になっていたのは、役場前に設置された空間放射線量を測定するモニタリングポストの計測値です。この場所の測定値は、常に0.09μシーベルト前後の値を示しています。直下には土壌があるものの周囲はアスファルトになっており、阿見町の放射線の状況を正確に反映していないのではないかと懸念しておりました。
町内各地の放射能を計測している方々は、当初阿見町が計測器として使用していた堀場製作所の環境放射線モニタ PA-1000 Radi(ラディ)で計測した測定値と大きく異なるということを言っています。環境放射線モニタにはさまざまな種類があり、その特性に応じて測定値を理解する必要があることも理解した上での言及だと思います。
http://surveymeter.web.fc2.com/
放射線には主として、α(アルファ)線、β(ベータ)線、γ(ガンマ)線がありますが、環境放射線モニタPA-1000は、専門の知識がなくても微弱なγ線を、簡単に精度よく測定できるハンディタイプの測定器です。
そのような指摘もあり、しばらく前から借りっぱなしになっているこのホリバの計測器で、あちこちと測ってみました。計測方法や計測機器が異なるとは言え、町が発表している計測値とは大きく異なり不安を覚えました。大きな原因は、すべてを平均値で表現するからだと思われます。例えば、住宅地を計測したとして、室内、外回りのいくつかを合計して平均値を発表したら0.23μシーベルト以下になるということなのかなあ・・・。
議員として分からないというのも癪なんですが、どなたか良く教えて下さい。
2013年6月7日
阿見町の放射線量の状態や対応について
現在の阿見町の放射線量の状態は、県内他市町村の状態と比較して相変わらず高めの状態が続いています。これは、降雨による放射性物質の降下があり樹木や土壌に付着したことが原因になっています。
その後、町による除染活動が、特に子供たちが日常活動するような保育園、幼稚園、学校について重点的に実施されました。また、学校給食等の食材も検査と管理がされています。
それでも、放射線量の値は原発事故以前の水準に戻っていません。放射能には半減期がありこれから20年、30年の単位で確実に減少していくものと予想されていますが、長期間の低線量の放射線を浴び続けるということは今まで経験がなく、取り分けて子どもたちの健康等に不安をお持ちになっている方も多いように思われます。
最近の取手市小中学校の子どもたちの検診結果(心臓)の統計的な傾向を指摘する団体もあり、安心はできないというべきです。
去る平成25年1月19日、柏市民会館で市民団体が主催した「放射線対策と原発の明日2013」という講演会が開催されました。放射線量や原子力発電評価に関する一方に偏らない講師を招いて討議も行うという講演会だったようです。私も参加予定でしたが、急用ができて参加できませんでした。そうしましたら、市民団体がインターネット上に動画をアップしていただきました。
阿見町の現状と今後の対応を考えるうえでも、参考になるものと思われますので私のホームページにもアップします。
この対談の動画を引用したサイトは以下のところです
http://kiikochan.blog136.fc2.com/blog-entry-2732.html
○日時 1月19日(土) 19:00~21:30
○会場 柏市民文化会館 大ホール
○主催 1,19柏講演会実行委員会
講師のお二人
・小林泰彦さん(独立法人日本原子力研究所開発機構:量子ビーム応用研究部主席放射線生物学:重粒子線による細胞照射効果とバイスタンザー効果の研究)
・小出裕章さん(京都大学原子炉実験所助教:原子核物理学、放生物質の環境動態の研究、著書「隠される原子力・核の真実 原子力の専門化が原発に反対するわけ」など多数)
東海村議・相沢一正さん
http://aizawakazumasa.jimdo.com/
東海第二原発再稼働・原子力関係についての情報は上記をご覧下さい。
相沢さんは、東海村で一貫して脱原発を主張して、自然エネルギーによる地域活性化を唱え実践しています。
東海村村長・村上達也氏講演会
日時:2012年3月25日(日)14:00~16:00 (30分前開場)
会場:那珂市中央公民館ホール(茨城県那珂市役所となり)
参加費: 500円(資料代)
定員:500名(要予約)
主催:茨城の人と環境を考える会議
お申込・お問合せ
E-mail ibaraki325@gmail.com.
Fax 029-274-2277
事前予約制です。上記のメールアドレスまたはFaxへ
参加者のお名前・ご連絡先(お電話番号、Fax番号、
メールアドレスのいずれか)をご記入の上お申込みください。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
託児(有料1000円)あります。
申込時に、お子様のお名前・性別・年齢(月齢まで)・アレルギー等の
有無をお伝えください。おり返しご連絡します。
3月25日(日)那珂市での講演会チラシより
~村長からのメッセージ~
原発による繁栄は「一炊の夢」
福島では原発によって故里も家族も何もかもが奪われた
それでも未だ原発依存の声は高い
全ては目先の金のために
こんな考えはもう捨てましょう
原発は垢にまみれた古い思想、古い技術
もう夢もロマンも生まないのですから
ドイツ人、イタリア人は古い上着を脱ぎ、新しい服に着替えました
私たちも先に進みましょう
市民が立ち上がる時です
エネルギーのベストミックス
現在、茨城県議会が開会中で3月2日には会派代表質問が行われました。民主党を代表して質問に立った長谷川修平議員は、原子力や火力、水力、自然エネルギーなどを組み合わせたエネルギー政策である「ベストミックス」を主張して、茨城県における自然エネルギーの取り組みについて質問したようです。
長谷川修平議員は、日立製作所の現役社員でいわば日立製作所の利害を代表する議員です。私も、民主党所属の県議会議員時代に同僚としてお付き合いをいたしました。また同じく日立製作所出身で茨城第5選挙区選出の大畠章宏衆議院議員は、民主党におけるエネルギー政策の責任者となっています。その主張が、「ベストミックス」です。
私も、2011年3月11日以前はエネルギー安全保障という観点から「ベストミックス」の信奉者でした。しかし、東電福島第2原発震災を目の当たりにした経験、阿見町にも大きな影響を与えているという現実を機に、私の考えは明確に変わりました。
脱原発に舵を切り替えるべきであるという考えに至りました。何万年も管理せざるを得ない高レベル放射性廃棄物の処理も決まらないままに原子力発電を続けることが、良いことではないことは明らかです。明確に原発に依存しない社会や地域を目指すことが、未来の世代に対する責任だと思うからです。
原子力に依存しながら現在の繁栄を続けても(それはもはや危険な綱渡りをしているに過ぎないと思うのです)、地震列島日本でひとたび重大な事故になれば、瑞穂の国は崩壊してしまいます。この期に及んでも、原子力を含んだベストミックスを唱える政治家がいるというのは正直驚きです。
常陽新聞によれば、長谷川修平議員に対する橋本昌知事の回答は以下の通りです。
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
橋本知事は東海村白方の原子力発電(原電)の東海第2原発の再稼働問題に対し、今年4月に国内の原発54基すべてが停止する状況を踏まえ、「すべて再稼働、すべて廃炉のどちらも現実的ではない」とするなど、再稼働に向け慎重な姿勢を示した。長谷川氏が自然エネルギーなどを含めたベストミックスに対する取り組みや再稼働問題を質問したのに答えた。
橋本知事は国の総合エネルギー調査会の基本問題委員会で、「原発のすべて再稼働、すべて廃炉のどちらも現実ではないのではないか」と発言してきたことを紹介した上で、原発の再稼働に当たっては、地理的・地形的状況、周辺人口、経過年数などを総合的に考えて決定すべきと考えているとした。
東海第2原発に関しては、運転開始から33年が経過している▽30㌔圏内に約94万人が居住している▽首都・東京に極めて近い―などを挙げ、「東海第2原発の置かれている状況を十分に勘案していく必要がある」と答弁し、再稼働に慎重な姿勢を示した。
今後、県の原子力安全対策委員会での技術的・専門的見地からの検証、原子力審議会での審議、国や他県の動向などを踏まえながら、県議会や地元自治体と協議し、判断していきたいとした。
東海第2原発は東日本大震災による津波で非常用ディーゼル発電機3基中1基が停止したり、今まで活断層と認めていなかった断層が他の断層と連動する可能性を原電自体が認めるなど、さまざまな問題が浮上している。
知事は、原発全体に関しては、安全確保が大前提になるとし、福島第1原発の事故原因を踏まえた新たな安全基準の策定や規制体制の確立などにより、国が責任を持って原発の安全を確保するということを国民に説明し、納得してもらう必要があるとした。
以下の記事は県域新聞「常陽新聞」の2012年3月1日付けの園部高秀記者の署名入り記事です。他の全国紙が比較的小さい扱いの中で、常陽新聞は一面トップの7段抜きで報じています。
東海第2周囲で巨大地震も
他の活断層と連動の可能性
日本原子力発電(原電)は29日、原子力安全・保安院から求められていた、東日本大震災発生後の正断層型地震の多発など新たな知見に基づき東海第2原子力発電所の耐震安全性に反映すべき事項について報告した。それによると、これまで連動の可能性を否定したり、活断層との見方そのものを否定していた断層が活動する可能性を認め、調査・検討を実施する方針を示した。これにより、東海第2原発の周囲で巨大地震の可能性が示されたことになる。
本県の地震は海域のプレート型地震が中心で、活断層は無いとされてきた。新耐震指針に基づく耐震バックチェックでも、関谷断層(断層の長さ約40㌔、マグニチュード7・5、震源の距離87㌔)、関東平野北西縁断層帯(約82㌔、M8・0、125㌔)が中心だった。
しかし、2010年9月の改訂版では、F3・F4断層(約16㌔、M6・8、22㌔)、棚倉破砕帯西縁断層の一部(約13㌔、M6・8、31㌔)を活断層の可能性があると認めた。本県で活断層の可能性が認められたのは初めてだった。
しかし、原電側は太平洋岸の地震は逆断層が中心だとして、安全性に問題は無いとしてきた。ところが、震災後、東西方向に引っ張られる正断層型の地震が多発。保安院は新知見に基づいた調査を求めていた。その後も、地震や津波に関する意見聴取会の検討状況や関係機関の調査・研究などを踏まえ、今年1月27日に耐震安全性に反映すべき事項を検討するよう求めていた。今回はこれに回答したもの。
原電側はこれまでもF3・F4の連動の可能性は認めていたが、保安院から活断層同士の離れた距離だけで連動を否定していたものに対しても、地形や地質の成り立ち、地盤に働く力の状況などを考慮し、改めて検討するよう指示を受け、棚倉破砕帯西縁断層とF1断層の連動の可能性を認めている。
棚倉破砕帯西縁断層と棚倉破砕帯東縁断層の連動については、断層の向きが同じで、地下深部に向かって近づく関係にあり、両断層の連動の可能性は否定できないと評価した。F1断層(約23㌔)と北方陸域の断層の連動については、両断層の向きもずれの方向も同じで、一連の地質構造である可能性があるとしている。このため、F1断層と北方の陸域の断層が連動する可能性は否定できないとしている。
北方の陸域断層は昨年の4月11日に発生した余震で、いわき市の地表に断層が出現したもので、一部では10㌔以上とも言われている。また、原電側はこれまでF1断層は活断層の可能性を否定、地震は起こさないとしてきた。
このため、原電側は文献で示されている活断層の付近で、これまで地質調査を実施していない範囲を対象に地質調査を実施し、連動を考慮する範囲について検討する方針だ。今年3月の報告をめどに対応する。
F3・F4断層でも2007年7月の新潟県の中越沖地震で危機的状況に陥った東京電力の柏崎刈羽原発事故と同様の破壊力があるだけに、同断層の距離を上回るF1断層が北方陸域の断層と連動した場合、巨大地震が東海第2原発を襲う可能性もあるだけに、今後の調査・検討が注目される。
常陽新聞 2012年03月01日
子どもたちを放射能から守るために
保護者の皆様へ
「今、子どもたちのためにできること」
福島県災害対策本部 平成23年7月
http://www.pref.fukushima.jp/j/04_web.pdf
小学生のみなさんへ
「放射線を正しく知って行動しましょう」
福島県災害対策本部 平成23年7月
http://www.pref.fukushima.jp/j/02_web.pdf
阿見町の土壌汚染
東京電力福島第一原子力発電所の震災事故により、阿見町が県内では最も高い放射性物質に汚染されたことが「文部科学省及び茨城県による航空機モニタリングの測定結果」(8月31日修正公表)によって明らかになっています。
http://radioactivity.mext.go.jp/ja/1940/2011/08/1940_0831.pdf
それを受けて阿見町では、町民の不安を払拭するために、子ども関連の施設を中心に町内44ヶ所の土壌調査を実施しました。(9月5日~9日)
そして、航空機モニタリング調査と阿見町での調査と比較して、「この調査結果から文部科学省が公表した航空機モニタリングの測定結果と比較すると全体的に低レベルであることがわかりました。」と結論付けています。
航空機モニタリングでは地表面の放射性物質の汚染を、空間線量率から換算係数を用いて地表面への放射性物質の沈着量を測定したものです。したがって、たとえば森や林などでは葉や樹木に付着しているものについては、実際に土壌に到達していないことから低減される傾向があるようです。
また、文部科学省の航空機モニタリングで高い数値を示した阿見町の中でも、最も高い数値を示した地域が測定されていないことなど、土壌の汚染全体の傾向ということでは問題があります。
放射性物質の土壌から農産物への移行など、「食の安全という面からも住民の不安に真正面から取組んでいない」という批判もあります。
先日の「あみ大好き青空市」での、シンポジウムでも消費者からの阿見農産物への不安が表明されていました。また、茨城大学の専門家の方々も、放射性物質への対応という点で、対応が遅れたというコメントがありました。地産地消を基本として阿見町の農業を育てていくことはとても重要ですので、その前提条件である、安心安全な農産物を消費できるようにするためにも、生産者や住民が地域の放射性物質の状況を測定し把握しておくことが大事だと指摘もありました。また、土壌の専門家からは、耕すことで放射性物質が吸着されて、移行がきわめて少なくなるなどの研究結果も公表されました。
今後、大学が、消費者と生産者の不安を乗り越えて地産地消が成立するような機会を数多くつくって、阿見町の農産物への信頼を回復することを望む声があがりました。
報道されておりますように阿見町のシイタケは出荷停止になっています。また、上記のように阿見町独自の検査でもきのこ類は軒並み暫定規制値以上の放射性物質が検出されています。
1 使用機器は食品放射能検査システム CAN-OSP-NAI(日立アロカメィデカル製
2 「不検出」とは検査器の検出限界値未満であることを示し、限界値は測定する食材等により異なります
3 暫定規制値
●野菜類(根菜および芋類を除く)、魚介類
⇒ 放射性ヨウ素 2,000ベクレル/kg以下
●野菜類、穀類、肉・卵・魚・その他
⇒ 放射性セシウム 500ベクレル/kg以下
●飲料水、牛乳・乳製品
⇒ 放射性ヨウ素 300ベクレル/kg以下
※乳児は100ベクレル/㎏以下
⇒ 放射性セシウム 200ベクレル/kg以下
県内で唯一原子力発電所(東海第2原発)が立地する東海村は、県内一の豊かな自治体です。
自治体の財政状態を示す財政力指数(人口規模や面積から標準的に必要な支出を、自治体独自の税収でまかなうことができると「財政力指数1」となります)は1.9〜1.8前後で推移しています。必要な支出の2倍近くの税収があります。
自治体の税収の主なものは住民税と固定資産税ですが、東海村は原子力発電所が立地することによる電源3法による税収が潤沢に入ってきます。
しかし、12年前にJCO臨界事故により住民の健康被害や農水産物及び加工品等に大きな影響を受けました。その影響を乗り越えつつありましたが、そこへ今回の東電福島第一原発震災事故が起きました。
村上達也村長は、日頃から親しくさせていただいておりますので、お気持ちがよく分かります。そして、あの東海村でよくここまで言い切ったなあと強い意志を感じました。
http://blogs.yahoo.co.jp/umino_takashi/53394511.html
Q 2度の原子力事故を目の当たりにして思うことは。その教訓とは何か。
JCO臨界事故も慢心が招いたもので、この国はいつまでも反省しないという印象だ。利益を追求するあまり、原発推進を「国策だ」と言い続け、安全神話を作るなど、極めて内省に欠ける国だということ。JCO臨界事故の時も思ったが、今回も案の定だ。何にも学んでいない。福島第1原発事故の初期対応を見ても、何という国だと思った。
Q 国の原子力政策、エネルギー政策をどう見るか。震災と福島第1原発事故で見えてきた日本の電力供給の問題点とは。
日本は地震多発地帯で、1900年からの100年間でM8以上の地震回数は世界一という報告がある。そんな国に54基も原発を置いていいのか。正気の沙汰とは思えない。しかし、日本は原子力推進そのものがエネルギー政策で、自然・再生可能エネルギーの発展を封じていた面がある。原発は炭酸ガスを出さないから環境にいいと言い、放射能・放射線の問題にはふたをして、原発の後処理も後世に先送りしてきた。それはまさに、哲学なきエネルギー政策だという気がする。
Q 「脱原発」は可能か。日本における再生可能エネルギーの可能性は。普及を進める鍵は。
福島第1原発事故を起こした以上、日本は脱原発について真剣に考える義務がある。脱原発を追求しなければならず、できるできないはその次でいい。自然エネルギーについても、ドイツやデンマークなどは既に取り組んでおり、技術開発も進んでいる。日本でも可能性はある。日本人の勤勉さやこれまで蓄積した技術からみても可能だろう。世界最高水準になれると思う。あとは政府のやる気次第だ。
Q 東海第2原発の再稼働をどのように判断するか。
私は、福島のように全村避難して戻れないとか、東海村が地図上から消えていく、そういう事態にはしたくない。福島の事故で、国は避難した人たちをどう救済するのか。つまり、国がわれわれの安全を保障できるのか。そこが担保されない以上、判断はできない。
津波対策や非常用電源対策の強化だけでは十分ではない。福島第1原発事故の問題も明らかにしてもらわなければならない。ストレステストは、再稼働のための政治的方便ではないか。
それと安全規制体制をどうつくるのか。原子力安全庁の話は出ているが、さっぱり見えない。これも判断の鍵となる。(東海第2原発の再稼働は)今の時点ではまったくの白紙だ。
Q 最後に、今後の日本のエネルギー政策への提言を。
エネルギー消費を減らして経済のスピードを落とし、思い切って自然エネルギーの導入に向けて政策誘導すればいい。自然エネルギーはこれまで、政府が後押しした電力会社が壁となり入り込めなかった。自然エネルギーに対する助成を、新しい技術開発に向けた投資だと思ってやったらいい。ドイツがやると言っているのに日本でできないわけがない。あとは政治家の決断だ。
茨城新聞 2011年10月1日(土)
(作成:広報広聴課)平成23年10月18日(火曜日)11時15分~ 5階 会議室
○東海村長の「東海第二発電所」の廃炉要請について
時事(幹事社):代表して何点か質問させていただきます。
1点目ですが、東海第二原発に関して、今月11日に、東海村の村上村長が、細野原発担当相に対して、廃炉を求めて改めて脱原発の方向性を明らかにしたのですが、改めて知事のご見解を聞かせてください。
知事:原子力もそうですが、これから日本としてエネルギーをどうやって確保していくのかについて、しっかりした方向を出すのがまず第一だろうと思っております。その中で、原子力について、脱原発が本当に可能なのかどうか。例えば、経済面への影響なども考えて検討していかなければいけませんし、原子力の扱いについてきちんと議論をしていくことが必要なのだろうと思っております。私どもとしては、いずれにしても、来年8月まで(東海第二発電所の)定期検査の期間が延長されておりますので、これから国としての意向、あるいはまた他県の動向などをよく見ながら判断をしていきたいと考えております。
東京:先日、東海村の村長とお話をされたと思うのですが、東海第二原発についてどういうお話をしたか、もう少し詳しくお願いします。
知事:東海村の村長からは、県に何の説明もしないままで国へ行ってしまったので、その辺の事情についてお話ししたいということがメインでありまして、これからもっと県のほうと連絡を密にしていきたいという話がありました。私のほうからは、いろいろな考え方があるものですから、そういったことについて説明をさせていただいて、意見の交換をしたというところです。
東京:村長は、知事から、あまりなたを振り上げるべきではないというようなお話をされたということですが。
知事:いや、そういうことは言っていません。ただ、原子力について、これからどうしていくかということについてはともかく、特に村長に話しましたのは、電力会社を分割して送電などは別な会社にすればいいのではないかとか、いろいろなことを言われておりますので、私としては、今の段階でそういう結論というか、方向づけに向けて動くのは早いのではないか(ということを申し上げました)。特に、東京電力が解体して発送電分離になっていきますと、今度の原子力事故の責任をどこがとるのだろう。責任をとる企業がなくなってしまうのではないか。国は、一応、指導・監督責任はあるにしても、被害を受けた県民として一番に責任をとってもらわなければいけないのは東京電力ですので、それが仮に発送電分離という形で会社の形態が変わってしまった場合に、今までと同じように責任を求めていけるのかどうかといったことも課題になってくる。いろいろな点で、今ですと(東京電力が)全くの事故の当事者でありますから、我々としては、きちんと責任をとれということは言えるわけですが、もし形態が変わった場合には、そういうことも今のような形では言えなくなる可能性もある。そういうもろもろのことを考えていく必要があるのではないかということは申し上げました。
東京:あと、もう1点ですが、県南のほうで、取手市議会で廃炉の決議をするとか、かなりナーバスになっていると思うのですが、30キロ圏外の自治体の意見とか、そういうものを何かしらの形で聞くような手段とか術は考えていらっしゃいますか。
知事:先ほども申し上げましたが、一応、来年の8月まで定期点検が長引いておりますので、今の段階では当面の対応を先にするのが第一だろうと思っております。健康被害(への対応)とか農産物の出荷制限とかいろいろなことが次から次へと出てきていますので、そちらのほうに対応していくことがまず第一ではないかと考えております。
朝日:関連で、東海第二の件ですが、東海村議会で、議会に了承なく、村長のご判断で提案されたことに対して是々非々があったようですが、提案の仕方というか、市町村のトップの方が、大臣に対して、要望ではなく提案というふうにおっしゃっていますが、意見の表明の仕方について、知事として何か思うことはありますか。
知事:提案というのは、結局、民主党はあのような形での要望は聞かないことになっていますので、提案ならば受け付けるということですから提案になったのだろうと思いますが、東海村長として報道されますから、あのような重要なことについては、ある程度議会に対しても意見の交換はしておいたほうがいいような気がいたします。
朝日:県とも本当は事前に何か連絡があってしかるべきだったというふうにお考えですか。
知事:それは独立している地方自治体同士ですから、上下の関係にあるわけではありませんから、別に県に説明しなくてはいけないというものではありません。ただ、できるだけ同じ歩調をとっていけたほうが、茨城県、あるいはまた東海村にとっていいことなのだろうと思います。
NHK:関連で、村長との意見交換のときに、改めて村長から廃炉にすべきだという考え方は示されたのでしょうか。
知事:あまりよく思い出しませんが、廃炉にすべきだということを特におっしゃられたというのではなくて、こういうペーパーを細野大臣にお渡しして提案をしてきたということの説明を受けました。時間が非常に限られていたので、紙に書いて持っていったという話でした。
茨城:関連です。今の東海第二の件ですが、現時点では、知事と村上村長は同じ歩調をとるのは難しい状況なのでしょうか。
知事:私としては、今すぐ廃炉を打ち出すべきかどうか(については)、国のほうで脱原発という方向をにらみながら議論が進んでいるところでありますので、比較的古い部類に入ってくる東海第二発電所について、再起動の要請があるかどうかまだ見当がつかないところでありますから、それがあって初めてどうするか、県としてもしっかり検討していく必要があるのだろうと思います。またその間、多分、多くの原発について国の意向と地元の意向のすり合わせが行われていくと思いますので、そういったことも参考にしていきたいと思います。
○茨城県原子力安全対策委員会について
東京:原子力安全対策委員会ですが、住民グループが公開してほしいというようなことを言っていまして、静岡とか新潟なんかでは公開されているとか、そういう意見もあるようなのですが、これに対してはお考えはいかがですか。
知事:基本的に、委員の皆さん方に、全面公開するかどうかも含めて意見をお聞きした上で決定していきたいと思っております。多分、できるだけ公開する方向で運営されていくのだろうと思います。委員の皆さん方から、あまり公開されていると非常に意見が言いにくいとかいうことがたくさん出てくれば別ですが、そうでなければ、多分、公開する方向でいくのだろうと思います。
○除染について
茨城:今月に入りまして、環境省が放射性物質の除染の基本方針案をまとめたのですが、それとは別に、専門家の間から、里山とか低地林とか、そういった森林関係の除染について、この秋の落ち葉を除去したほうが非常に効果的だし、来年の落ち葉が降り積もる前に取り除いたほうがいいという意見が出ておりますが、非常に難しいと言われている森林、里山の除染について県は何かしらの施策をとる予定はあるのでしょうか。
知事:森林、里山なども含めて、(年間)1ミリシーベルト以上の影響が出そうなところについては、公表された地図で示されておりますが、県の北部のほうとか南部のほうは一部該当しそうなところもあるものですから、そういうところについてはしっかりした資料をもらって、そして対応していかなければいけないと思っております。
その場合に、山についてどうするかということは大変大きな課題だと思います。里山といっても、(放射性物質が)葉っぱにたくさんついている可能性があるわけですので、今の段階(で除染した方)がいいのか、そういうものが落ちた後のほうがいいのかなど、いろいろと検討しなくてはいけないと思っております。
そういうことについて、国としてきちんとした方針を示してほしいというのが我々の期待であります。それぞれ県によって違った方法を打ち出しても困るものですから、そういう点ではしっかり検討を進めてほしいと思います。
取手市議会は9月28日、東海第2原子力発電所の再稼動中止と廃炉を求める意見書の決議を16対10の賛成多数で採択しました。県内の自治体では、もちろん初めての決議で、首相、衆参議院議長、県知事に意見書が送付されます。
私たちは何を食べればよいのか、子供たちに何を食べさせればよいのか、給食は安全なのか、地域の農産物は大丈夫なのだろうか・・・
感知度のきわめて低い40歳以上は積極的に地域の農産物を食べよう、子供たちや妊産婦などはなるべく安全な農産物を食べさせよう・・・
日本の暫定基準値は世界の基準値と比較するときわめて高いことが分かります・・・
【東海第2原発再稼動、85%が消極的 茨城大学の住民調査】
定期検査中の日本原子力発電東海第2原発(東海村)の再稼働について、茨城大が実施した周辺住民のアンケートで、消極的な意見が全体の85%を占めたことが7日までに分かった。
アンケートは茨城大地域総合研究所が昨年から始め、今回で2回目。6〜8月に東海村と、隣接する3市の計4千人に調査票を郵送し、33%の1320人が回答した。
調査結果によると、回答者の40%が「耐震防潮対策を徹底するまで運転すべきでない」、32%が「停止したまま廃炉に向けて準備を」、13%が「再稼働は凍結して地域で白紙から議論すべき」と答えた。「老朽原子炉に代わる新型炉を新設」は6%、「早く運転再開を」は5%にとどまった。
また、運転開始から30年以上経過した同原発の安全性については、60%が「保守点検し慎重に運転しても危険」と回答、昨年の37%から大幅に増えた。
調査を担当した同研究所の渋谷敦司教授は「福島第1原発事故が住民の意識を大きく変えた。住民同士が話し合える場をつくり、再稼働の判断に意見を反映させることが必要だ」と話した。(共同)
茨城新聞 2011年9月7日(水)