土浦花火資料館の整備を
―土浦花火の賑わいを通年化しよう―
土浦花火「第86回土浦全国花火競技大会2017」を堪能しました。ご招待をいただき、桟敷席から鑑賞しました。数年前に桟敷席から観た時は、雨天曇天の中での鑑賞で散々でした。しかし、今回は雲間から星も垣間見える絶好の花火天気となり、仰ぎ見るような場所で観させていただきました。お酒も、弁当も美味しくいただき、最高でした。
主催者発表で75万人が夜空を彩る花火の醍醐味を味わったということです。それにしても大変な人の波でした。私は、土浦のひとつ南の荒川沖駅からJRで土浦駅に行ったのですが、土浦駅は、人混みであふれかえっていました。「シャトルバスはあきらめて、徒歩で会場に向かうしかない」と判断し歩き始めたのですが、これは失敗でした。特に、桜川の堤防沿いの道は露店や場所取りなどで、ラッシュでひどい渋滞でした。
私は県北の那珂市出身で、花火と言えば水戸市の「黄門祭りの花火」が身近で、「土浦の花火」はピンときませんでした。しかし、阿見町に居を移し議員となってから、あらためて「土浦の花火」の素晴らしさ、華やかさ、知名度を認識しました。今では、東京の友人が毎年「土浦の花火」を楽しみにしていて、バスツアーで来場するというのも納得できます。
土浦市は霞ケ浦湖畔の街で、霞ヶ浦、そこから遠望する筑波山、帆引き船、亀城公園、最近では霞ヶ浦総合公園のライトアップなど観光資源がたくさんあります。レンコンや霞ヶ浦の恵みである佃煮、醤油、納豆など名物もありますが、有力な観光地というイメージはありません。
平成27年度の茨城県観光客動態調査によれば、土浦市は、茨城県市町村の入込客数年間146万人で県内14位にとどまります。月別では半数以上が、10月に集中し79万人となっています。これは、土浦花火が寄与していることは明らかです。
年間300万人以上は10市町、200万人以上は3市、100万人以上は6市となっています。県内のランキングベスト10は、1位大洗町444万人、2位ひたちなか市378万人、3位水戸市367万人、4位笠間市352万人、5位阿見町351万人、6位潮来市343万人、7位つくば市332万人、8位古河市256万人、9位鹿嶋市232万人、10位日立市229万人となっています。(なお、阿見町はアウトレットの入場者が、統計上観光客とカウントされることになっています)
土浦市の月別入込客数は、10月を除くと3~10万人となっています。今年の「土浦花火」では75万人が来場したということですから、いかに「花火」が土浦市の観光にとって最大の資源となっていることが分かります。逆に言えば、1日で終わってしまう「花火」を、年間を通じた観光資源にすることが土浦の観光戦略となるものと思われます。
土浦市立博物館では、花火大会に合わせて特別展「花火と土浦—競技大会のあゆみ」を9月23日(土曜日)から11月13日(月曜日)まで開催し無料開館としています。さらに、来年の3月17日(土曜日)から5月6日(日曜日)まで、特別展「花火と土浦—祈る心・競う技」を実施するようです。こうした試みは、観光という面からも不可欠で評価されると思います。
https://www.city.tsuchiura.lg.jp/section.php?code=43
そこで、ご提案があります。土浦花火の賑わいを通年化するために「土浦花火ミュージアム(仮称)」の整備をお願いしたいということです。全国各地には、それぞれ花火に関する資料館、博物館があり、歴史を伝えています。土浦を目指す観光客、旅行業者も望んでいるはずです。
・両国花火資料館
両国川開き花火にはじまる江戸の花火の歴史をはじめとし
た、両国花火の総合資料館。日本の花火の技術ち歴史を模
型や資料で解説する花火の殿堂。
http://www.jalan.net/kankou/spt_13107cc3290033275/
・花火資料館(日本煙火協会)
http://www.hanabi-jpa.jp/data/index.html
・花火伝統文化継承資料館(仮称)
http://www.sakigake.jp/news/article/20170701AK0009/
・市川三郷町花火資料館
http://shinmeinohanabi.com/?page_id=53
・長岡花火ワールド悠
http://www.nct9.ne.jp/hanabinoeki/eki.html
・ながおか花火ミュージアム